統計学

サイコロ確率計算機

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サイコロ確率計算機とは?

サイコロ確率計算機は、複数のサイコロを同時に振って出目を足し合わせたとき、特定の合計が出る確率を求めるツールです。サイコロを1個だけ振る場合は単純で、どの面も同じ確率なので、6面のサイコロならどの数字も6回に1回出ます。しかし複数のサイコロを足し合わせると話は変わります。範囲の中央にある合計は多くの組み合わせで作れる一方、両端の合計は1通りでしか作れません。6面のサイコロ2個で7が最も出やすく、2が最も出にくいのはそのためです。

この計算機は「サイコロ2個で合計がちょうど7になる確率は?」「10以上になる確率は?」といった疑問に答えます。面数は4、6、8、10、12、20、100から選べ、サイコロは1個から12個まで同時に扱えます。

出目の合計がコイン投げの問題ではない理由

コイン投げで表の回数を数えるのは二項分布の問題です。1回の投げには2通りの結果しかなく、表が出るたびにカウントがちょうど1増えます。サイコロの合計はこれとは異なります。各サイコロは1から ss までのいずれかの値を寄与するため、合計の分布は畳み込みによって構成されます。つまり、すでに得られている分布に、もう1個のサイコロの1から ss までの一様分布を繰り返し合成していくのです。

こうしてできる分布は山型で、サイコロを増やすほど(範囲に対して相対的に)滑らかで細くなりますが、二項分布ではなく、単一の二項係数では表せません。コイン投げの公式ではサイコロの合計について誤った答えが出るのはこのためであり、この計算機が分布全体を組み立てているのもこのためです。

計算機の使い方

次の4つの値を入力します。

  • サイコロの数(nn — 振って合計するサイコロの個数で、1から12まで。
  • サイコロの面数(ss — 各サイコロの面の数で、4、6、8、10、12、20、100のいずれか。すべてのサイコロは同一かつ公正であると仮定します。
  • 合計に対する条件 — 合計を目標値とちょうど同じにするか、目標値以上・以下・より大きい・より小さいのいずれにするか。
  • 目標の合計(tt — 知りたい合計値。

計算機は可能な合計の分布をすべて構築し、条件を満たす場合の数を数えて、次の結果を表示します。

  • 確率(パーセント)、
  • 0から1までの小数で表した確率、
  • 「何分の一」という形のオッズ、
  • 有利な場合の数(条件を満たす組み合わせの数)、
  • 全体の場合の数sns^{n})。

可能な範囲の外にある目標値はエラーではなく、単に確率0になります。出せる最小の合計は nn(すべてのサイコロが1を示す場合)、最大は n×sn \times s(すべてが最大の面を示す場合)なので、6面サイコロ2個で13を求めると正しく0が返ります。

数式

N(n,s,t)N(n, s, t) を、ss 面のサイコロ nn 個で合計 tt を出す場合の数とします。sns^{n} 通りの順序付き結果はすべて同じ確率なので、合計がちょうどその値になる確率は次のようになります。

P(S=t)=N(n,s,t)snP(S = t) = \frac{N(n, s, t)}{s^{n}}

場合の数そのものは畳み込みから得られます。N(0,s,0)=1N(0, s, 0) = 1 から始めて、サイコロを1個加えるたびに既存の場合の数を ss 個の面へ振り分けます。

N(n,s,t)=f=1sN(n1,s,tf)N(n, s, t) = \sum_{f=1}^{s} N(n-1, s, t-f)

累積の場合は個々の場合の数を足し合わせます。

P(St)=1snj=tnsN(n,s,j)P(S \ge t) = \frac{1}{s^{n}} \sum_{j = t}^{n s} N(n, s, j) P(St)=1snj=ntN(n,s,j)P(S \le t) = \frac{1}{s^{n}} \sum_{j = n}^{t} N(n, s, j)

合計は必ず整数なので、厳密な不等号の場合は同じ和を1だけずらしたものになります。

P(S>t)=P(St+1)P(S<t)=P(St1)P(S > t) = P(S \ge t + 1) \qquad P(S < t) = P(S \le t - 1)

ss を超えて「あふれる」サイコロについて包除原理を使うと、場合の数の閉じた式も得られます。

N(n,s,t)=k=0(tn)/s(1)k(nk)(tsk1n1)N(n, s, t) = \sum_{k=0}^{\lfloor (t-n)/s \rfloor} (-1)^{k} \binom{n}{k} \binom{t - s k - 1}{n - 1}

最後に、オッズは確率の逆数です。

odds=1P\text{odds} = \frac{1}{P}

計算例

  1. 6面サイコロ2個で合計ちょうど7。 n=2n = 2s=6s = 6t=7t = 7 のとき、合計7は1+6、2+5、3+4、4+3、5+2、6+1で作れます。つまり 62=366^{2} = 36 通り中6通りが有利な場合です。したがって P=6/360.166667P = 6/36 \approx 0.166667、約16.6667%、すなわち6分の1です。これはサイコロ2個で最も出やすい合計です。

  2. 6面サイコロ2個で合計ちょうど2。 1+1しかないので、36通り中1通りです。P=1/360.027778P = 1/36 \approx 0.027778、約2.7778%、すなわち36分の1です。

  3. 6面サイコロ3個で合計ちょうど10。 n=3n = 3s=6s = 6t=10t = 10 では 63=2166^{3} = 216 通り中27通りが有利なので、P=27/216=0.125P = 27/216 = 0.125、ちょうど12.5%、すなわち8分の1です。11と並んでサイコロ3個の分布の頂点になります。

  4. 6面サイコロ2個で合計10以上。 条件を満たす合計は10、11、12で、それぞれ3通り、2通り、1通りあります。36通り中6通りなので P=6/3616.6667%P = 6/36 \approx 16.6667\% です。

  5. 6面サイコロ2個で合計が10より大きい。 「より大きい」は10自体を含まないので、残るのは合計11と12です。36通り中 2+1=32 + 1 = 3 通りなので P=3/368.3333%P = 3/36 \approx 8.3333\% です。対称なケースである「4より小さい」は合計2と3が残り、同じ 3/363/36 になります。

  6. 6面サイコロ2個で合計ちょうど13。 可能な最大の合計は 2×6=122 \times 6 = 12 なので、有利な場合は0通りで P=0P = 0 です。

  7. 4面サイコロ4個で合計ちょうど10。 n=4n = 4s=4s = 4t=10t = 10 では 44=2564^{4} = 256 通り中44通りが有利なので、P=44/2560.171875P = 44/256 \approx 0.171875、約17.1875%です。

実用上の注意

  • サイコロの合計の分布は必ず n(s+1)/2n(s+1)/2 を中心に左右対称になります。6面サイコロ2個ならその中心は7、3個なら10.5で、10と11が最も出やすい合計として並ぶのはそのためです。
  • 最小の合計 nn に対して「以上」、最大の合計 n×sn \times s に対して「以下」を指定すると、どの出目も条件を満たすので確率は必ず1になります。
  • オッズは確率が0より大きいときだけ表示されます。あり得ない合計には意味のある「何分の一」という値が存在しないためです。
  • 有利な場合の数と全体の場合の数は、sns^{n} が正確な整数として表せる範囲でのみ表示されます。100面サイコロ12個では 10012=1024100^{12} = 10^{24} 通りとなり、この限界を超えるため場合の数は非表示になりますが、比である確率は正確なまま表示されます。
  • すべての計算は公正で互いに独立なサイコロを前提としています。いかさまダイス、振り直し、「最低値を捨てる」ルール、爆発ダイスはいずれも分布を変えるため、ここでは扱いません。
  • 2通りの結果を何度も繰り返す実験については、コイン投げ確率計算機が二項モデルを用います。独立な事象の確率を組み合わせる場合は確率計算機を、合計ではなく選び方を数える場合は組み合わせ計算機をご覧ください。

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